インプラントの種類

インプラントの構造

インプラントは大きく分けると3つの部品でできています。この3つの部品について説明前にインプラント治療の流れについて知っておきましょう。

インプラント治療は失った歯のあった場所の顎の骨に人工歯根を埋め込み、数か月かけてしっかりと骨と人工歯根を定着させた後、上から人工歯をかぶせることで歯を作る治療となります。この治療の流れから説明すると、初めに用いる部品を人工歯根、またはインプラントと言います。最後に使う部品は上部構造、または人工歯と言います。

これら2つの部品を繋ぐのがアバットメントと呼ばれる部品です。インプラントの構造は、人工歯根であるインプラント、上部構造である人工歯、それらを繋ぐアバットメントの3つでできているのが一般的です。

人工歯根であるインプラントはインプラント体とも呼ばれ、直接顎の骨に埋め込まれる細長いネジのような構造をしていることが多いです。できるだけ骨に定着しやすく、傷口が小さくなるようにこのような形をしており、サイズは直径3~5mmで、6~18mmの長さのものが一般的です。

人工歯については、セラミックあるいはレジン、またはセラミックとレジンのハイブリッドセラミックと呼ばれる素材、金合金などで作ることが多く、アバットメントと合うように加工されています。どのような素材を選ぶかは口腔内の状況と患者の希望によって異なります。

最後に、アバットメントは下部がインプラント体と連結するようネジでできており、上部は人工歯と連結するような形状になっています。アバットメントには、インプラント体とくっついているワンピースタイプのもと、分かれているツーピースタイプのものがあります。

インプラントの種類

ワンピースタイプ

人工歯根であるインプラント体と人工歯を繋ぐアバットメントと呼ばれる部品が、初めから一体化しているものをワンピースタイプのインプラント体と呼びます。ワンピースタイプのインプラント体を用いる場合は、一回法と呼ばれる手法に用いられます。

インプラント体は顎の骨に埋め込む必要がありますが、歯茎を切開して骨に埋め込む手術を一回で行う手法を一回法と言います。手術回数が1回となるので、治療全体にかかる時間が短縮され、患者の身体にかかる負担が少なく、費用も抑えられるというメリットがあります。

しかしながら、ワンピースタイプのインプラント体は顎の骨に十分な厚みのある人にしか適用できません。1回の手術でインプラントの角度が決まってしまうため、上からかぶせる歯の角度や形状も決定されることになります。また、アバットメントに問題がある場合もアバットメントだけを取り換えることができないため、インプラント体を全て取り除く必要があります。患者の口腔内の状況と患者の希望に合わせて選択することになります。

ツーピースタイプ

インプラント体とアバットメントが分かれているタイプのものをツーピースタイプと呼びます。ツーピースタイプは、二回法と呼ばれるインプラント体を顎の骨に埋め込む手術を2回に分けて行う手法ですが、一回法にも適用が可能です。

治療の進行状況や患者の口腔内の状況に合わせてアバットメントを選択することができるため、より確実な方法であると言えます。こちらは患者の顎の骨が痩せていたり、元々細い場合にも用いることができるのが特徴です。

二回法を行う場合、外科手術を2回行うため、患者の身体にかかる負担が大きく、治癒するのに時間がかかるなどのデメリットもあります。また、ワンピースタイプのインプラント体と比べて部品数が増えるため、高額になりがちです。アバットメントとインプラント体を連結するネジに緩みがでる可能性もあります。その場合は、アバットメントを交換するか、再度ネジを締めなおす必要があります。

インプラント体の種類

スクリュータイプ

インプラント体には多くの形状がありますが、主流な形状の1つがスクリュータイプです。その名の通り、顎の骨に接する部分がネジの形状をしており、外科手術によって顎の骨に埋め込む際は、回転させながら挿入させます。

スクリュータイプのインプラント体には先端に向かって細くなっているテーパータイプのものと、先端も付け根もサイズの変わらないストレートタイプの2種類があります。スクリュータイプは、顎の骨にねじ込む形で埋め込むため、骨との接触部分が大きく固定されやすいという特徴があります。

シリンダータイプ

インプラント体の形状が円筒形(えんとうじょう)をしているものをシリンダータイプと呼びます。こちらのタイプもスクリュータイプと同じく主流な形状の1つです。円筒形のインプラント体の表面はネジのようにはなっていないため、手術で顎の骨に埋め込む際は回転させて挿入する必要はありませんが、ハンマーで叩いて少しずつ入れることになります。

スクリュータイプと比べて顎の骨との接触部分が少なく、摩擦となる部分がないため、固定されずに取れてしまう可能性も少なくありません。シリンダータイプは2回に分けて顎の骨にインプラント体を埋め込む、二回法で用いられることが多いです。二回法で用いられる理由としては、1回目の手術で埋め込んだインプラント体ごと歯茎を閉じ、抜ける可能性を低くするためです。

バスケットタイプ

バスケットタイプのインプラント体は中が空洞になっており、側面に小さい穴が空いているためバスケットタイプと呼ばれています。外の形状はネジのようになっており、穴が空いていること以外はスクリュータイプと変わりません。

小さい穴は、顎の骨に定着させる際に効果的です。手術によってバスケットタイプのインプラント体を埋め込むと、徐々に骨がインプラント体の周りにできてきて、次第に小さい穴の中にも骨が形成されます。これにより、スクリューが回ってしまうといった事態を避けることができ、抜けにくい土台となります。

しかしながら、小さい穴の中に骨が形成されなかった場合は他のタイプのインプラント体と比べて強度的に弱くなるため、破損する可能性が出てきます。

ブレードタイプ

ブレードタイプのインプラント体は名前の通り、ブレードのような板状のインプラント体です。インプラント体を顎の骨に埋め込む手術の際はハンマーで叩いて挿入することになります。

切開する面積を減らすことができるメリットがありますが、他のインプラント体と比べて破損する可能性が高く、適切な刺激を顎に伝えることができず顎の骨が痩せてしまうことがあるため、現在では使用されることがなくなってきているタイプでもあります。

ルートフォーム

ルートフォームのインプラント体は、顎の骨に接する先端に向けて細くなっているタイプを指します。ネジの形状をしているものとシリンダーの形状をしているものがあります。顎の骨に埋め込む際に大きな力を必要としないため、患者にかかる負担が少ないというメリットがある反面、その形状から定着せずに抜けてしまう可能性もあります。

インプラント体に使用される材質

チタン

インプラント体には非常に様々な種類の素材が使われています。その中でも人気の高いのが純チタンです。

インプラント体は顎の骨と接触し、骨と結合する必要がありますが、純チタンは骨との親和性が高く、結合しやすいという特徴があります。基本的には金属アレルギーの人でも使うことができますが、稀にチタンでもアレルギー反応を示す可能性があるため、事前にアレルギー検査などを行ってよく確認する必要があります。

チタン合金

純チタンと他の金属を混ぜて作られるのがチタン合金です。純チタンと同様に顎の骨と結合しやすいのが特徴です。強度が高く錆びたり折れたりすることが少ないのが特徴です。純チタンとの違いは、加工しやすいところにあります。

ジルコニア

インプラント体としてジルコニアを使うケースもあります。チタンはアレルギー反応の少ない素材ではありますが、金属であることに変わりはありません。稀にチタンにもアレルギー反応を起こす患者がいます。

そういった人には、ジルコニアでできたインプラント体を用います。ジルコニアを用いる場合は、インプラント体だけでなくアバットメントもジルコニア素材を用いるケースが多いです。

日本でも知名度の高いインプラントメーカー

ストローマン社

インプラント治療に関する製品からサービスまで提供しているストローマン社。ITIシステムと呼ばれるインプラント治療を適切に行うための基準となるプログラムを提供しており、顎の骨にインプラント体を埋め込む手術の基準なども含まれます。ストローマン社が提供するインプラントは骨との結合スピードが速いのが特徴です。

インプラント体を顎の骨に埋め込んでから、定着するまでに2~6か月かかるのが一般的ですが、ストローマン社のインプラント体は最短で1か月程度で骨と結合します。インプラント自体のサイズも日本人に適合しやすい大きさとなっています。一回法に用いられるものを中心に製造していましたが、二回法にも用いることができるタイプのものも増えてきています。

ジーマーデンタル社

歯科治療に関する製品全般を製造するアメリカの会社です。同社はHAインプラントと呼ばれるインプラントで有名です。HAインプラントとは、ハイドロキシアパタイトと呼ばれる骨を構成する成分でできたインプラントのことで、骨との結合が通常のインプラントと比較して速いのが特徴です。

しかしながら、HAインプラントは治療後のトラブルの可能性もあるため、適合するかどうかの確認とアフターケアが必要となります。

ノ-ベルバイオケア社

歯科製品を製造するスウェーデンの会社で、ブローネマルクインプラントと呼ばれる世界で初めて実用化されたインプラントを製造した会社でもあります。世界で高いシェアを誇るノーベル・リプレイスインプラントや、一回法で用いられるサイズの小さいノーベル・ダイレクトインプラントが有名です。

複数のインプラントを製造しているため、1種類のインプラントが適応しなくても同社の出している他のインプラントが適応する可能性があります。

アストラテック社

ノーベルバイオケア社と並ぶ、インプラント製造を行うスウェーデンの会社です。製造しているインプラントは安全で、世界中で使われているため実績も豊富なのが特徴です。また、同社の製造するスクリュータイプのインプラントはネジが緩みにくく、顎の骨との結合が速いことでも知られています。

インプラントは信頼性で選ぼう

品質・安全性について

インプラントは非常に多くのメーカーが様々な種類を製造しているため、選ぶのが難しいのが現状です。しかしながら、国内外で実績のあるメーカーのインプラントは品質も高く、安全である可能性が高いです。口の中に入れるものなので、歯科医師に相談の上、しっかりと検討する必要があります。

メーカー選びは慎重に行なう

患者毎に口腔内の状況は違うので、どれが最も適合するかは患者次第となります。評判が良いインプラントであっても、自分に適合するかどうかはわかりません。メーカーを選ぶ際は慎重に行いましょう。

費用の安いインプラントに気を付ける

インプラント治療は一般的に高額となりがちです。実績のあるメーカーのインプラントは信頼が置ける反面、無名のメーカーのものと比べると高価です。しかしながら、安価なインプラントはトラブルなどの可能性も高いのも事実です。インプラントは一生使うものと考え、長期的な目で見ると高価であってもそれだけの価値があると言えます。費用面と安全性を考慮の上、慎重に選んでください。

インプラント治療は
複数の歯科に相談して決めよう
               

群馬でインプラント治療対応
相談しやすいクリニック4選

※インプラント治療の費用と期間について
インプラント治療の平均的な費用は1本当たり30~40万円代、治療にかかる期間は平均7ヶ月~13ヶ月といわれています。費用・期間ともに、個人の口腔内の状態や、クリニックの体制によって異なるので、詳しく知りたい方は直接問い合わせてみることをおすすめします。

※副作用について
インプラント治療のリスクとして、インプラント周囲炎や、金属部品による金属アレルギーが発症することも考えられます。 また、持病をお持ちの方は、インプラント治療を受けることによって合併症などを惹き起こす可能性があります。不安や懸念点がある方、詳しく知りたい方はクリニックへご相談ください。